音楽いまむかし

　最近は自分も年をとったのかと思うことが多い。
平成生まれが社会に出るようになって、21世紀生まれも中学生になり、昭和世代としてはだんだん肩身が狭くなってくるような気がする。
そういえば、歌謡曲というくくりがなくなり、邦楽・洋楽という分け隔てがなくなってきたのはいつの頃からだろうか。

　同年配の知り合いとカラオケに行くと、流れる曲は80年代や90年代の誰でも知っているヒット曲が主だ。
いまは老若男女が知っているヒット曲というものがなくなり、同世代でも聴いている曲はバラバラになった。
ＴＶの音楽番組もどんどん低調になっているという。
いま皆で歌える曲といったら、せいぜいAKBくらいではないか（それもサビだけ）。

　一方では、個人のニッチな趣味も尊重される時代になってきたのかも、とも思う。
ジャンル分け自体がもともと無意味だったのかもしれない。
昔は誰も知らない曲を聴いている奴なんて相手にもされなかった。
今はどんなマイナーな音楽でも、ネットを通じて共通の趣味を持つ相手を見つけ出せる。
熱い盛り上がりには欠けるけど多様性があって、音楽にとっては自然な状況になってきたのか、という気もする。